令和元年(2019年)マンション管理士試験の過去問


正しい肢だけを眺めるも良し、誤りの出題パターンを掴むも良し、隙間の時間やテレビを見ながら軽く読み流してください。ちょっとした時間に、なるべく頭を使わずサラッと眺めることができる、答えがすぐに分かる2019年のマンション管理士試験過去問です。


次の注意事項をよく読んでから、始めてください。(本番例)

1 これは試験問題です。問題は、1ページから30ページまでの50問です。
2 試験開始の合図と同時に、問題のページ数を確認してください。 もし落丁や乱丁があった場合は、ただちに試験監督員に申し出てください。 また、法律等の略称及び用語の定義について、裏面の記載を確認してください。
3 答は、別の解答用紙に記入してください。 解答用紙に記入する際は、解答用紙の注意事項をよく読み、所定の要領で記入してください。
4 答は、各問題とも1つだけです。 2つ以上の解答をしたもの、判読が困難なものは、正解としません。
5 問題中法令等に関する部分は、平成31年4月1日現在施行中の規定に基づいて 出題されています。

問題の中で使用している主な法律等の略称及び用語の定義については、以下のとおりとします。

・「区分所有法」…建物の区分所有等に関する法律 (昭和37年法律第69号)
・「マンション管理適正化法」…マンションの管理の適正化の推進に関する法律 (平成12年法律第149号)
・「標準管理規約」…マンション標準管理規約(単棟型)及び マンション標準管理規約(単棟型)
・「マンション」…「マンション管理適正化法第2条第1号イに 規定するマンション」をいう。
・「管理組合」…「区分所有法第3条に規定する区分所有者の団体」 をいう。




〔問 1〕 規約に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、その効力が認められないものの組合せはどれか。

△ 構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分を専有部分とする規約の定め
○ 区分所有権の目的とすることができる建物の部分及び附属の建物を共用部分とする規約の定め
○ 管理組合法人における理事の任期を3年とする規約の定め
× 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者の4分の3以上の多数で、かつ議決権の3分の2以上の多数による集会の決議で決するとする規約の定め



〔問 2〕 規約により建物の敷地とされた土地に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

○ 規約により建物の敷地とすることができる土地には、区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路、駐車場等の土地も含む。
× 規約により建物の敷地とされた土地の管理は、民法(明治29年法律第89号)の定めるところによるのであり、区分所有法の定めるところによるのではない。
○ 建物の所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、規約で建物の敷地と定められたものとみなされる。
× 建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、改めて規約で定めなければ建物の敷地とすることができない。



〔問 3〕 区分所有法第7条の先取特権に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 区分所有者が有する区分所有法第7条の先取特権の被担保債権は、共用部分、建物の敷地又は共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権に限られる。
× 管理者が、管理組合との間に報酬を受ける特約がある場合において、管理組合に対して有する報酬債権は、区分所有法第7条の先取特権の対象となる。
○ 区分所有法第7条の先取特権は、債務者が専有部分を賃貸しているときは、民法第304条の物上代位により賃料に対して行使できる。
× 区分所有法第7条の先取特権の目的物は、債務者の区分所有権に限らず、債務者の全ての財産である。



〔問 4〕 Aは、Bの所有する専有部分について、Bから賃借し、敷金を差し入れた上で、引渡しを受けてその使用を始めたが、Bが敷地利用権を有していなかったことから、専有部分の収去を請求する権利を有するCが、Bに区分所有権を時価で売り渡すべきことを請求する通知(この問いにおいて「本件通知」という。)を行った。この場合における次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

× 本件通知の後に、AがCの承諾を得てDに対して賃借権を譲渡したときには、敷金に関するAの権利義務関係はDに承継される。
○ 本件通知前にAがBに対して賃料を支払っていなかった場合、BのAに対する未払いの賃料債権は、債権譲渡がなされなければ、BからCに移転しない。
○ 賃貸人の地位がBからCに移転したとしても、Cは、所有権の移転登記を経なければ、Aに対して、賃料請求をすることはできない。
○ 本件通知がBに到達することによって、Bの承諾がなくても、BとCの間に専有部分及び共用部分の持分を売買対象とした売買契約成立の効果が生じることとなる。



〔問 5〕 一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(この問いにおいて「一部共用部分」という。)の管理に関する次のマンション管理士の説明のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

○ 一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものは、一部共用部分を共用する一部の区分所有者だけで行うことはできません。
× 一部共用部分の管理は、区分所有者全員の規約に定めがあるものを除き、これを共用すべき区分所有者のみで行うことになります。
○ すべての一部共用部分について、その管理のすべてを区分所有者全員で行う場合には、一部の区分所有者のみで構成される区分所有法第3条に規定される区分所有者の団体は存在しないことになります。
○ 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができません。



〔問 6〕 集会招集手続きに関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

○ 区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものが、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求した。
○ 区分所有者が法所定の手続きに従い管理者に対して集会の招集を請求したにもかかわらず、管理者が2週間経過しても集会の招集の通知を発しなかったため、その請求をした区分所有者が集会を招集した。
× 専有部分が二人の共有に属する場合、議決権を行使すべき者が定められていなかったときは、管理者は、集会の招集の通知を共有者の双方に発しなければならない。
○ 管理者がないときに、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものが、集会の招集をした。



〔問 7〕 団地管理組合法人に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

○ 団地管理組合法人は、団地共用部分に係る損害保険契約に基づく保険金額の請求及び受領について、団地建物所有者を代理する。
× 団地管理組合法人の理事は、特定の行為の代理を他人に委任することを、規約又は集会の決議によって禁止されることはない。
○ 団地管理組合法人の監事は、財産の状況又は業務の執行について、法令若しくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認め、これを報告するために必要があるときは、集会を招集することができる。
○ 団地管理組合法人は、団地建物所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によって解散することができる。



〔問 8〕 甲マンションの管理組合Aの組合員Bは、101号室の区分所有権の購入に際して、C銀行から融資を受けてCのために抵当権を設定し登記を行い、また、現在は同室をDに賃貸して賃料収入を得ている。Bは極めて長期間管理費等を滞納しており、滞納額も多額となったため、Aが再三にわたり督促をしているが、Bは一切無視し続けている。この場合における次の記述のうち、区分所有法、民法、不動産登記法(平成16 年法律第123 号)及び民事執行法(昭和54 年法律第4号)の規定によれば、誤っているものはどれか。

○ B及びDは、101号室について、Cの承諾を得なくても賃借権の登記をすることができる。
○ Bの管理費等の滞納が原因で、建物の修繕に重大な支障が生じるような状況に至っている場合は、Bの滞納は、建物の管理に関し区分所有者の共同の利益に反する行為に該当する。
○ Bの区分所有権及び敷地利用権の最低売却価額で滞納管理費等を回収できる見込みがない場合でも、Aは区分所有法第59条の規定による競売を請求することができる。
× Cが抵当権の実行として101 号室を競売し、Eが当該競売における手続きを経て買受人となった場合には、Aは、Eに対して、滞納管理費等を請求することはできない。



〔問 9〕 マンションの一部が滅失した場合のマンションの復旧又は建替えに関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

○ マンションの滅失が建物の価格の2分の1以下に相当する部分の滅失であるときは、各区分所有者が滅失した共用部分を復旧することができるが、復旧の工事に着手するまでに集会において復旧又は建替えの決議があった場合はこの限りでない。
○ マンションの滅失が建物の価格の2分の1を超えるときは、復旧の決議をした集会の議事録には、その決議についての各区分所有者の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。
○ 建替え決議をするときは、決議事項の一つとして、建物の取壊し及び再建建物の建築に要する費用の概算額を定めなければならないが、併せて、その費用の分担に関する事項についても定める必要がある。
× 建替え決議を会議の目的とする集会を招集した者は、区分所有者からの要請がなければ、当該招集の際に通知すべき事項についての説明会を開催する必要はない。



〔問 10〕 A棟、B棟(いずれも分譲マンションで区分所有建物)及びC棟(賃貸マンションで単独所有建物)の三棟が所在する土地がこれらの建物の所有者の共有に属しており、その共有者全員で団地管理組合を構成している。この場合におけるA棟の建替え承認決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、既にA棟の区分所有者の集会において、A棟の建替えが議決されているものとする。

× 団地管理組合の集会において、A棟の建替え承認決議を得るためには、議決権の4分の3以上の多数の賛成が必要であり、各団地建物所有者の議決権は、その有する建物又は専有部分の床面積の割合による。
○ A棟の区分所有者は、A棟の区分所有者の集会において建替え決議に賛成しなかった場合でも、団地管理組合の集会におけるA棟の建替え承認決議では、全員が賛成したものとみなされる。
○ 建替え承認決議に係るA棟の建替えがB棟の建替えに特別の影響を及ぼすべきときは、A棟の建替えは、団地管理組合の建替え承認決議に係る集会において、B棟の区分所有者全員の議決権の4分の3以上の議決権を有する区分所有者の賛成を得なければ行うことができない。
○ 建替え承認決議に係るA棟の建替えがC棟の建替えに特別の影響を及ぼすべきときは、A棟の建替えは、C棟の所有者の賛成を得なければ行うことができない。



〔問 11〕 大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより区分所有建物の一部が滅失した場合において、当該政令の施行の日から起算して1年を経過する日までの間に、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(平成7年法律第43号)及び区分所有法の定めるところにより開催される区分所有法第34 条の規定による集会(この問いにおいて「区分所有者集会」という。)に関する次の記述のうち、これらの法律の規定によれば、正しいものはどれか。

× 区分所有者集会の招集の通知は、区分所有者が災害前に管理者に対して通知を受けるべき場所を届け出ていた場合には、その場所に宛ててすることができる。
× 区分所有者集会の招集の通知は、当該集会を招集する者が区分所有者の所在を知っていたときであっても、区分所有建物又はその敷地内の見やすい場所に掲示してすることができる。
× 区分所有建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であるときは、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各4分の3以上の多数で、当該区分所有建物及びその敷地を売却する旨の決議をすることができる。
○ 区分所有建物の滅失が建物の価格の2分の1を超える場合には、区分所有者集会において、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の区分所有法に基づく措置を決議することができる。



〔問 12〕 Aがその所有する甲マンションの101号室をBに賃貸した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法(平成3年法律第90号)の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

× AとBとの間で、期間を3年として賃貸借契約を締結する場合に、契約の更新がないこととする旨を定めようとするときには、公正証書によって契約をしなければ、その旨の定めは無効となる。
○ Aが、Cに対し、101 号室を書面によらずに贈与することとして、その所有権をCに移転し、登記したときは、AはCに対する贈与を撤回できない。
○ Bは、Aの書面による承諾を得ていなくても、口頭による承諾を得ている場合は、Dに対し、101号室を転貸することができる。
○ Eが、Aに対し、Bの賃料債務を保証する場合には、書面又はその内容を記録した電磁的記録によってしなければ保証契約は効力を生じない。



〔問 13〕 甲マンションの102 号室を所有するAが遺言することなく死亡し、Aの相続人であるBとCがAの遺産全てをBが相続する旨の遺産分割をした場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

○ AがDに対して、Aの死亡前に、102 号室を譲渡したときは、Dは所有権移転登記なくしてBに対して102号室の所有権を主張できる。
○ AがEに対して、Aの死亡前に、102 号室を譲渡し、BC 間の遺産分割後に、BがFに対して102 号室を譲渡したときは、Eは所有権移転登記なくしてFに
対して102号室の所有権を主張できない。
× BC 間の遺産分割協議前に、CがGに対してCの法定相続分に当たる102 号室の持分を譲渡し、Gが所有権移転登記をしたときであっても、BはGに対して102号室全部の所有権を主張できる。
○ BC 間の遺産分割協議後に、CがHに対してCの法定相続分に当たる102 号室の持分を譲渡したときは、Bは遺産分割に基づく所有権移転登記なくしてHに対して102号室に係るCの法定相続分の権利の取得を対抗できない。



〔問 14〕 Aがその所有する甲マンションの301 号室をBに対して期間を3年と定めて賃貸し、CがBのためにAとの間で保証契約を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

× AとBとの間で賃貸借契約が合意更新された場合、Cは更新後も保証を継続する旨の意思表示をしない限り更新後の賃料債務については保証債務を負わない。
○ Bの賃料不払により賃貸借契約が解除された場合、Cは未納賃料のみならず、Bが301 号室を契約に基づき返還すべきところ返還しないことによってAが被った損害の賠償債務についても保証債務を負う。
× CがBと連帯して保証する旨の特約があり、Bの賃料不払によりAがCに対して保証債務の履行を請求した場合、CはAに対し、まずBに対して履行の催告をするように請求することができる。
× Bの賃料債務が時効により消滅した場合であっても、Cが保証債務の存在を承認したときには、Cは保証債務を免れない。



〔問 15〕 Aは、Bとの間で、甲マンション401 号室を代金1,500 万円でBに売却する旨の売買契約(この問いにおいて「本件契約」という。)を締結したが、同室はCの所有するものであった。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

× 本件契約は、AがCから401 号室の所有権を取得した時に、条件が成就して成立する。
× Bは、本件契約の時に、401号室の所有権がAに属しないことを知っていた。この場合において、AがCから同室の所有権を取得してBに移転することができないときであっても、Bは、本件契約を解除することはできない。
○ Aは、本件契約の時に、401 号室の所有権が自己に属しないことを知らなかった。この場合において、Aは、Cから同室の所有権を取得してBに移転することができないときには、Bに対して損害を賠償して本件契約を解除することができる。
× 本件契約の締結後にAが死亡し、CがAを単独で相続した場合には、Cは、Bに対し、本件契約上の売主としての履行義務を拒むことができない。



〔問 16〕 甲マンションの305 号室を所有するAは、同室のキッチンの設備が老朽化したことから、業者Bとの間で、その設備を報酬100 万円でリニューアルする旨の請負契約を締結した。この場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

× AB間での請負契約に係る別段の特約のない限り、Aは、Bがリニューアルの工事に着手するのと同時に、報酬100万円をBに支払わなければならない。
× Bは、リニューアルの工事を完成させるまでの間であれば、いつでもAに生じた損害を賠償して請負契約を解除することができる。
× Bがリニューアルの工事を完成させるまでの間にAが破産手続開始の決定を受けた場合であっても、Bは、請負契約を解除することができない。
○ Bはリニューアルの工事を完成させたがその工事の目的物に瑕があったときに、この瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、AはBに対し修補を請求することができない。



〔問 17〕 甲マンションの201 号室の区分所有者Aが死亡し、その配偶者Bと未成年の子Cが同室の所有権を相続し、BとCが各2分の1の共有持分を有し、その旨の登記がなされている場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

○ Bが金融機関から自己を債務者として融資を受けるに当たり、201 号室の区分所有権全部について抵当権を設定しようとする場合に、Cの持分に係る抵当権の設定については、BはCのために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
× Bが、Cに区分所有権全部を所有させるため、自己の持分を無償で譲渡する場合でも、BはCのために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
× 201 号室の区分所有権全部を第三者に売却する場合、Cの持分の売却について、BはCのために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
× 201 号室に係る固定資産税等の公租公課について、未成年者であるCが支払うに当たって、BはCのために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。



〔問 18〕 敷地権付き区分建物に関する登記等に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。

× 敷地権付き区分建物について、敷地権の登記をする前に登記された抵当権設定の登記は、登記の目的等(登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付をいう。以下同じ。)が当該敷地権となった土地についてされた抵当権設定の登記の目的等と同一であっても、敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有しない。
× 敷地権付き区分建物について、敷地権の登記をした後に登記された所有権についての仮登記であって、その登記原因が当該建物の当該敷地権が生ずる前に生じたものは、敷地権である旨の登記をした土地の敷地権についてされた登記としての効力を有する。
○ 敷地権付き区分建物について、当該建物の敷地権が生ずる前に登記原因が生じた質権又は抵当権に係る権利に関する登記は、当該建物のみを目的としてすることができる。
× 敷地権付き区分建物の敷地について、敷地権である旨の登記をした土地には、当該土地が敷地権の目的となった後に登記原因が生じた敷地権についての仮登記をすることができる。



〔問 19〕 マンション建替組合(この問いにおいて「組合」という。)が施行するマンション建替事業に関する次の記述のうち、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号)の規定によれば、誤っているものはどれか。

○ 理事及び監事は、特別の事情があるときは、組合員以外の者のうちから総会で選任することができる。
× 総会の決議事項のうち、権利変換計画及びその変更、組合の解散については、組合員の議決権及び持分割合の各5分の4以上の多数による決議が必要である。
○ 組合は、権利変換計画の認可の申請に当たり、あらかじめ総会の議決を経るとともに、施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得なければならない。
○ 組合は、権利変換期日後マンション建替事業に係る工事のため必要があるときは、施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)を占有している者に対し、明渡しの請求をした日の翌日から起算して30日を経過した後の日を期限として、その明渡しを求めることができる。



〔問 20〕 地域地区に関する次の記述のうち、都市計画法(昭和43 年法律第100号)の規定によれば、誤っているものはどれか。

○ 市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされている。
○ 特定街区については、市街地の整備改善を図るため街区の整備又は造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率並びに建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めるものとされている。
○ 第一種中高層住居専用地域においては、都市計画に、高層住居誘導地区を定めることができない。
× 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができない。



〔問 21〕 建築基準法(昭和25年法律第201号)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

× 延べ面積が1,000 ㎡を超える耐火建築物は、防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡ 以内としなければならない。
○ 1階及び2階が事務所で3階から5階までが共同住宅である建築物は、事務所の部分と共同住宅の部分とを1時間準耐火基準に適合する準耐火構造とした床若しくは壁又は特定防火設備で区画しなければならない。
○ 建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合において、当該建築物が防火地域外において防火壁で区画されているときは、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。
○ 延べ面積が700 ㎡ である共同住宅の階段の部分には、排煙設備を設ける必要はない。



〔問 22〕 水道法(昭和32年法律第177号)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

○ 水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であって、水道事業の用に供する水道から供給される水のみを水源とする水道は、水槽の有効容量を問わず、貯水槽水道である。
○ 水道事業者は、供給規程に基づき、貯水槽水道の設置者に対して指導、助言及び勧告をすることができる。
× 簡易専用水道の設置者は、給水栓における水質について、定期に、都道府県知事(市又は特別区の区域においては市長又は区長。この問いにおいて同じ。)の登録を受けた者の検査を受けなくてはならない。
○ 都道府県知事は、簡易専用水道の管理の適正を確保するために必要があると認めるときは、簡易専用水道の設置者から簡易専用水道の管理について必要な報告を徴することができる。



〔問 23〕 共同住宅における消防用設備等に関する次の記述のうち、消防法(昭和23 年法律第186号)の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、いずれも地階、無窓階はないものとし、危険物又は指定可燃物の貯蔵又は取扱いはないものとする。

○ 地上2階建、延べ面積400 ㎡の共同住宅には、消火器又は簡易消火用具を、階ごとに、当該共同住宅の各部分からの歩行距離が20m以下となるよう設置しなければならない。
× 地上5階建、延べ面積3,000 ㎡の共同住宅には、避難が容易であると認められるもので総務省令で定めるものを除き、全ての階に非常電源を附置した誘導灯を設置しなければならない。
○ 地上11階建の共同住宅においてスプリンクラー設備の設置義務があるのは、11階のみである。
○ 高さ31 mを超える共同住宅においては、階数にかかわらず、全ての住戸で使用されるカーテンは、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものでなければならない。



〔問 24〕 甲マンションの管理組合から、改修計画において、防犯に配慮した設計とする上で留意すべきことの相談を受けたマンション管理士の次の発言のうち、「共同住宅に係る防犯上の留意事項及び防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針について」(最終改正平成18年4月20日 国住生第19号)によれば、適切なものはいくつあるか。

○ 甲マンションには、管理員室が設置されていることから、住戸内と管理員室の間で通話が可能な機能を有するインターホンを設置することが望ましいので、検討してください。
○ エレベーターのかご内には、防犯カメラを設置するようにしてください。
× 接地階の住戸のバルコニーの外側等の住戸周りは、住戸のプライバシー確保及び防犯上の観点から、周囲から見通されないように配慮してください。
○ 居住者の意向による改修は、所有形態、管理体制等による制約条件を整理するとともに、計画修繕に併せて改修すべきものと緊急に改修すべきものとに分けて検討するようにしてください。



〔問 25〕 区分所有者が専有部分の修繕等を行おうとする場合における次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

○ 共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれがない専有部分の修繕等を行おうとする場合には、理事長の承認を受けなくても実施することができる。
○ 専有部分の間取りを変更しようとする場合には、理事長への承認の申請書に、設計図、仕様書及び工程表を添付する必要がある。
× 主要構造部にエアコンを直接取り付けようとする場合には、あらかじめ、理事長にその旨を届け出ることにより、実施することができる。
○ 専有部分の床をフローリング仕様に変更しようとして理事長への承認の申請をする場合、承認の判断に際して調査等により特別な費用がかかるときは、申請者に負担させることが適当である。



〔問 26〕 規約が標準管理規約の定めと同一である甲マンション管理組合では、計画修繕工事で給水管の更新工事を行う予定である。これに関し、理事長が理事会の席上で行った次の説明のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。

× 給水管の更新工事に際し、共用部分である本管と専有部分である枝管の工事を一体として行う場合には、現規約には一体として管理組合が工事を行う旨の規定がないため、規約をその旨変更した上で当該工事を実施する必要があります。
○ 給水管の更新工事に際し、共用部分である本管と専有部分である枝管の工事を一体として行う場合には、専有部分に係るものの費用については各区分所有者が実費に応じて負担すべきです。
× 給水管の更新工事には修繕積立金を充当することになりますが、修繕積立金を取り崩すには、総会で組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上の決議が必要となります。
× 給水管の更新工事は共用部分の変更に該当するので、工事を実施するには、総会で組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上の決議が必要となります。



〔問 27〕 1棟300 戸の住宅のみで構成されるマンションの管理組合で、理事の定数が25 名である理事会の効率的な運営の在り方として理事会の中に部会を設置することについて理事長から相談を受けたマンション管理士の次の発言のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

○ 貴マンションのような大規模なマンションの管理組合では、理事会のみで実質的検討を行うのが難しくなるので、理事会の中に部会を設け、各部会に理事会の業務を分担して実質的な検討を行うことが考えられます。
○ 部会を設ける場合、理事会の運営方針を決めるため、理事長及び副理事長により構成される幹部会を設けることが考えられます。
× 部会を設ける場合、部会の担当業務とされた事項の決議は、そのまま理事会決議に代えることができます。
○ 部会を設ける場合、副理事長が各部の部長を兼任するような組織体制を構築することが考えられます。



〔問 28〕 役員資格について、規約により区分所有者であることを要件としている管理組合において、理事の1名が2年間の任期の途中で住宅を売却して外部に転出した場合の取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。

× 外部に転出した理事が理事長であった場合、改めて総会で後任の理事長の選任を決議する必要があるが、それまでの間は理事会の決議で仮の理事長を選任してその職に当たらせる。
× 外部に転出した理事は、後任の理事が就任するまでの間は、引き続き理事として理事会に参加し、議決権を行使することができる。
× 外部に転出した理事の補欠となった役員の任期は、補欠として就任した時点からの2年間となる。
○ 外部に転出した理事の補欠について、組合員から補欠の役員を理事会の決議で選任することができると、規約に規定することもできる。



〔問 29〕 管理組合の総会及び理事会の決議に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。

× 理事会において総会に提出する規約変更案を決議する場合には、理事総数の4分の3以上の賛成が必要である。
○ 総会の前の日に共用部分の漏水で緊急に工事が必要となった場合、理事長が、総会当日に理事会を開催し、工事の実施等を議案とする旨の決議を経て総会に提出したとしても、その総会で緊急の工事の実施を決議することはできない。
× 各戸の議決権割合が同一である管理組合で、書面決議をすることにつきあらかじめ全員の承諾を得ている普通決議事項の議案は、総戸数の過半数の賛成書面が集まらなければ可決とはならない。
× 理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後1か月以内に招集しなければならない。



〔問 30〕 監事の職務や権限に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものの組合せはどれか。

○ 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならず、また、理事が不正の行為をし、又は当該行為をするおそれがあると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。
イ 理事が不正な行為をし、又は当該行為をするおそれがあると認めるときは、監事は、理事長に対し理事会を招集するよう請求することができるが、一定期間内に理事長が招集しないときは、その請求をした監事が理事会を招集することができる。
× 監事は理事会への出席義務があるが、監事が出席しなかった場合には、理事の半数以上が出席していたとしても、理事会における決議等は無効となる。
× 監事は、理事長が解任され、後任の理事長が選任されていない間に、区分所有者の一人が、規約で禁止している民泊事業(住宅宿泊事業法(平成29 年法律第65 号)に定める住宅宿泊事業をいう。)を行っていることが確認できたときは、当該区分所有者に対し、規約違反行為の是正等のために必要な勧告等を行うことができる。



〔問 31〕 管理組合における組合員の氏名等の取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約及び個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)によれば、適切なものはどれか。

× 組合員の氏名は個人情報の保護に関する法律で保護される個人情報に当たることから、新たに区分所有権を取得して組合員となった区分所有者は、その氏名を管理組合に届け出ることを拒否することができる。
× 高齢者等の災害弱者に係る情報は、個人のプライバシーに深く関わるため、災害時等の、人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であっても、あらかじめ本人の同意を得ていない限り、地域の防災関係組織等に提供することはできない。
× 組合員名簿の管理を管理会社に委託するに当たっては、氏名の届出の際に、管理会社に対し情報提供することの同意をあらかじめ得ていない区分所有者の氏名については、第三者提供に当たるので、管理会社に提供することはできない。
○ 区分所有者の親族を名乗る者から組合員名簿につき閲覧請求を受けた理事長は、その者が親族関係にあることが確認できた場合においても、直ちに閲覧請求に応じることはできない。



〔問 32〕 専有部分のある建物であるA棟、B棟及びC棟並びに集会所からなる団地における総会決議に関する次の記述のうち、「マンション標準管理規約(団地型)及びマンション標準管理規約(団地型)コメント」(最終改正平成30年3月30日国住マ第60号)によれば、適切なものはどれか。

× 集会所を大規模に増改築する場合には、各棟の棟総会での決議が必要である。
× A棟の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査の実施及びその経費に充当する場合のA棟の修繕積立金の取崩しをするときは、団地総会での決議が必要である。
× B棟の階段室部分を改造し、エレベーターを新たに設置する場合には、B棟の棟総会での決議が必要である。
○ 計画修繕工事によりC棟の外壁補修を行う場合には、団地総会での決議が必要である。



〔問 33〕 甲管理組合と乙管理会社との間の管理委託契約に関する次の記述のうち、「マンション標準管理委託契約書及びマンション標準管理委託契約書コメント」(最終改正平成30年3月9日 国土動指第97号)によれば、適切でないものはいくつあるか。

○ 甲と乙は、その相手方に対し、少なくとも3月前に書面で解約の申入れを行うことにより、管理委託契約を終了させることができる。
○ 乙が反社会的勢力に自己の名義を利用させ管理委託契約を締結するものではないことを確約し、乙がその確約に反し契約をしたことが判明したときは、甲は何らの催告を要せずして、当該契約を解除することができる。
○ 乙は、管理事務を行うため必要なときは、甲の組合員及びその所有する専有部分の占有者に対し、甲に代わって、組合員の共同の利益に反する行為の中止を求めることができる。
× 乙が行う管理事務の内容は、事務管理業務、管理員業務、清掃業務及び建物・設備管理業務となっているが、それぞれの業務について、管理事務の全部又は一部を第三者に再委託することができる。



〔問 34〕 甲マンション管理組合の平成30年度(平成30年4月1日から平成31年3月31日まで)の会計に係る次の仕訳のうち、適切なものはどれか。ただし、会計処理は毎月次において発生主義の原則によるものとする。

マンション管理士試験過去問




〔問 35〕 規約が標準管理規約の定めと同一である甲マンション管理組合の平成30年度(平成30年4月1日から平成31年3月31日まで)の収支予算案に関連し、平成30年4月に開催された理事会において、会計担当理事が行った次の説明のうち、適切なものはいくつあるか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとする。

× 平成29年度の管理費に未収金があったため、その未収金相当額については、平成30年度収支予算案の管理費に上乗せして計上し、不足が生じないようにしてあります。
○ 今年度は、管理規約改正原案の作成に係る業務で専門的知識を有する者の活用を予定していますので、それに必要な費用については平成30年度収支予算案の管理費会計に計上してあります。
○ 平成29年度の総会で承認され平成29年11月に工事が開始された大規模修繕工事が、予定どおり平成30 年4月20日に完了しました。前年度に前払した工事費の残額の支払を5月10日に予定していますが、5月27 日に開催予定の通常総会で収支予算案の承認を得る前に支払う必要があるため、規約に基づき、理事会の承認を得てその支出を行うこととします。
× 平成29 年度収支決算の結果、管理費に余剰が生じましたが、その余剰は平成30年度の管理費会計に繰入れせずに、修繕積立金会計に繰入れすることとします。



〔問 36〕 長期修繕計画に関する次の記述のうち、「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」(平成20年6月国土交通省公表)によれば、適切でないものはいくつあるか。

× 推定修繕工事は、建物及び設備の性能・機能を修繕工事実施時点の一般的住宅水準に向上させる工事を基本とする。
○ 修繕積立金の積立ては、長期修繕計画の作成時点において、計画期間に積み立てる修繕積立金の額を均等にする均等積立方式を基本とする。
× 計画期間における推定修繕工事には、法定点検等の点検及び経常的な補修工事を適切に盛り込む。
○ 推定修繕工事として設定した内容や時期等はおおよその目安であり、計画修繕工事を実施する際は、事前に調査・診断を行い、その結果に基づいて内容や時期等を判断する。



〔問 37〕 鉄筋コンクリート造のマンションの外壁に生じた劣化や不具合の現象とその原因に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

○ ポップアウトは、アルカリ骨材反応が原因の一つと考えられる。
○ さび汚れは、コンクリートの中性化が原因の一つと考えられる。
× 白華(エフロレッセンス)は、紫外線が原因の一つと考えられる。
○ ひび割れは、コールドジョイントが原因の一つと考えられる。



〔問 38〕 マンションの建物の調査・診断に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

○ 仕上げ塗材の付着の強さを調べるプルオフ法は、金属面への塗装及びコンクリート面への塗装のいずれにも用いることができる。
× 外壁タイルの調査に用いる赤外線調査は、壁面に赤外線を照射して、その反射量を測定する。
× アスファルトルーフィングの使用状態での劣化度を測定するためには、現地で針入度試験を行う。
× コンクリートの中性化の程度を調べるには、手持ち型のpH測定器を用いることができる。



〔問 39〕 設計監理方式で実施したマンションの大規模修繕工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

○ 施工者が、工事工程計画、仮設計画、品質管理計画などの計画を作成した。
○ 管理組合が主催者となって工事説明会を開催し、施工者と工事監理者が説明を行った。
× 工事監理者は、引渡し後に工事監理に関する瑕か 疵し が判明した場合に対応するため、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(平成19 年法律第66号)に基づき、保険法人と住宅瑕疵担保責任保険契約を締結した。
○ 工事完了時に竣しゅんこう工検査として、施工者検査、工事監理者検査、管理組合検査の順に行った。



〔問 40〕 マンションの住棟形式に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

× センターコア型は、住棟中央部に吹き抜けがあり、その吹き抜けに面した共用廊下より各住戸にアプローチできる。
○ 中廊下型は、住棟を南北軸に配置することが多い。
○ タウンハウス型は、戸建て住宅の独立性と集合化することによる経済性を併せ持つ。
○ 階段室型は、住棟に設けられた階段室から、直接各住戸にアプローチできるものをいい、その階段室にエレベーターが設置されるものもある。



〔問 41〕 マンションの構造に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

○ 鉄骨鉄筋コンクリート構造は、鉄骨の骨組みの周囲に鉄筋を配しコンクリートを打ち込んだものである。
○ 建築物の地上部分に作用する地震力を計算する際に使われる地震層せん断力係数は、同じ建築物であれば上階ほど大きい。
○ 耐震改修において、免震装置を既存建築物の柱の途中に設置する工法もある。
× 固定荷重とは、建築物に常時かかる躯く 体たい、内外装の仕上げ、家具等の重量の合計である。



〔問 42〕 マンションの各部の計画に関する次の記述のうち、下線部の数値が適切でないものはどれか。

○ 車いす使用者の利用する平面駐車場において、1台当たりの駐車スペースの幅を、3.5 mとした。
○ 高低差が50 mm ある共用部分の傾斜路の勾配を、1/8 とした。
○ 住戸の床面積の合計が200 m2 の階において、両側に居室がある共用廊下の幅を、1.6 mとした。
× 屋外に設ける避難階段の出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる通路の幅員を、1.4 mとした。



〔問 43〕 マンションの飲料水用の受水槽に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

○ 受水槽には、給水管への逆流が生じないように、吐水口空間を設けた。
× 受水槽を屋内に設置する場合に、受水槽の天井、底及び周壁と建築物との間に、保守点検ができるように、全ての躯体面で60 cmの空間を設けた。
○ 受水槽内部の保守点検を行うためのマンホールは、ほこりその他衛生上有害なものが入らないように、受水槽の天井面より10 cm以上立ち上げて設置した。
○ 受水槽内へ排水が逆流しないように、受水槽の下部に設置する水抜き管と排水管との間に垂直距離で15 cm以上の排水口空間を設けた。



〔問 44〕 マンションの排水設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

× 特殊継手排水システムは、排水立て管と通気立て管を接続することにより、管内の圧力を緩和する機能があるので、専有部分からの汚水系統や雑排水系統の排水を集約できる。
○ 洗面台の洗面器にためた水を一気に流すと、接続された排水管を排水が満流状態で流れることにより、トラップ部の封水が流出してしまうことがある。
○ 敷地内で雨水排水管と汚水排水横主管を接続する場合に、臭気が雨水系統へ逆流しないようにトラップを設けた。
○ 台所に設置する食器洗い乾燥機の排水管に、高温の排水に耐えられるように耐熱性硬質(ポリ)塩化ビニル管を用いた。



〔問 45〕 マンションの設備に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

× 居室では、シックハウス対策として、換気回数2回/h以上の機械換気設備の設置が必要である。
○ 圧縮空気法による排水管の清掃では、付着物で閉塞した排水管内に水を注入し、圧縮空気を放出してその衝撃で付着物を除去する。
○ 専有部分に設置するさや管ヘッダー方式による給水・給湯システムには、耐食性、耐熱性、可とう性に優れた水道用架橋ポリエチレン管、水道用ポリブテン管等を使用する。
○ 新設する乗用エレベーターに設置する地震時等管制運転装置には、予備電源を設ける。



〔問 46〕 「マンションの管理の適正化に関する指針」(最終改正平成28年3月14 日国土交通省告示第490 号)において定められている「マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項」に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。

△ 管理組合は、専有部分と共用部分の範囲及び管理費用を明確にすることにより、トラブルの未然防止を図ることが重要であり、併せて、これに対する区分所有者等の負担も明確に定めておくことが望ましい。
○ 管理組合の管理者等は、管理組合の経理に必要な帳票類を作成してこれを保管するとともに、マンションの区分所有者等からの請求があった時は、これを速やかに開示することにより、経理の透明性を確保する必要がある。
○ 建築後相当の年数を経たマンションにおいては、長期修繕計画の検討を行う際には、必要に応じ、建替え等についても視野に入れて検討することが望ましい。建替え等の検討にあたっては、その過程をマンションの区分所有者等に周知させるなど透明性に配慮しつつ、各区分所有者等の意向を十分把握し、合意形成を図りながら進める必要がある。
○ 管理業務の委託や工事の発注等については、利益相反等に注意して、適正に行われる必要があるが、とりわけ外部の専門家が管理組合の管理者等又は役員に就任する場合においては、マンションの区分所有者等から信頼されるような発注等に係るルールの整備が必要である。



〔問 47〕 マンション管理業者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。

○ マンション管理業者は、管理組合から委託を受けた管理事務について、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を作成し、これを保存しなければならない。
× マンション管理業者は、従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、区分所有者等全員に対し、説明会を開催しなければならない。
○ マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に、当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。
○ 管理業務主任者は、重要事項について説明をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。



〔問 48〕 次の記述のうち、「マンション管理適正化推進センター」が行う業務として、マンション管理適正化法第92 条に規定されていないものはどれか。

○ マンションの管理の適正化の推進に資する啓発活動及び広報活動を行うこと。
○ マンションの管理に関する情報及び資料の収集及び整理をし、並びにこれらを管理組合の管理者等その他の関係者に対し提供すること。
○ マンションの管理の適正化に関し、管理組合の管理者等その他の関係者に対し技術的な支援を行うこと。
× マンションの管理に関する紛争の処理を行うこと。



〔問 49〕 マンション管理士に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

○ マンション管理士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。マンション管理士でなくなった後においても、同様とする。
○ マンション管理士でない者は、マンション管理士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
○ マンション管理士試験に合格しても、国土交通大臣(指定登録機関が登録の実施に関する事務を行う場合は指定登録機関。この問いにおいて同じ。)の登録を受けなければ、マンション管理士の名称を使用することはできない。
× 国土交通大臣は、マンション管理士登録簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地その他国土交通省令で定める事項を登載してマンション管理士の登録をする。



〔問 50〕 管理業務主任者に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法の規定によれば、誤っているものはどれか。

× マンション管理業者は、既存の事務所がマンション管理適正化法第56条第1項の管理業務主任者の設置に関する規定に抵触するに至ったときは、3月以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置をとらなければならない。
○ 管理業務主任者は、管理組合に管理事務に関する報告をするときは、説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。
○ 管理業務主任者は、その事務を行うに際し、マンションの区分所有者等その他の関係者から請求があったときは、管理業務主任者証を提示しなければならない。
○ 管理業務主任者としてすべき事務を行うことを禁止された場合において、その管理業務主任者がその事務の禁止の処分に違反したときは、国土交通大臣は、その登録を取り消さなければならない。


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