マン管・管業試験にダブル合格

マンションの維持・管理に関する国家資格である「マンション管理士」と「管理業務主任者」。宅建士、賃貸不動産経営管理士と共に『不動産四冠資格』と呼ばれるそれらの資格について、試験概要や勉強法など【全て】をお送りします。

宅建士、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士を徹底比較!

 マン管・管業試験対策

マンション管理士と管理業務主任者の違いとは?難易度・ダブル受験のメリットを解説!

分譲マンションの管理に関わる2大国家資格、「マンション管理士」と「管理業務主任者」。どちらを取得すべき?何が違うの?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この2つの資格は「立場」と「仕事内容」が全く異なります。しかし、試験範囲の約8割が重複しているため、ダブル受験で一発合格を狙うのが最も効率的となります。

両資格の難易度や違い、ダブル受験のメリット、そして効率的な勉強法を見ていきましょう。

1. マンション管理士と管理業務主任者の違い

まずは、両資格の基本的な違いを比較してみましょう。

マンション管理士管理業務主任者
主な立場住民=管理組合側のコンサルタント管理会社側の実務責任者
主な仕事内容トラブル解決、規約改正アドバイス重要事項説明、管理契約関連
資格の性質名称独占(コンサル・独立向け)業務独占(就職・転職向け)
試験時期11月最終日曜日12月第1日曜日

マンション管理士とは?(住民の味方)
マンション管理士は、管理組合や住民の立場に立ち、マンション内で起こるトラブル(修繕積立金不足、騒音問題、大規模修繕の計画など)を解決するコンサルタントとなります。

管理業務主任者とは?(管理会社の必須人材)
管理業務主任者は、マンション管理会社に所属し、管理契約を結ぶ際の「重要事項説明」など、法的に義務付けられた独占業務を行う実務のプロであり、管理会社には一定数以上の有資格者を置く「設置義務」があるため、業界への就職・転職に非常に有利となります。

不動産業界への就職・転職、手当アップが目的なら管理業務主任者将来的に独立コンサルタントを目指す、キャリアを極めるならマンション管理士となります。

2. どっちが難しい?合格率と勉強時間

受験生が一番気になる「難易度」について解説します。

・合格率の比較
マンション管理士: 約10%前後(難関)
管理業務主任者 : 約20%前後(やや難関)

数字を見て分かる通り、マンション管理士の方が圧倒的に難易度が高いと言えます。更に合格率だけでなく、マンション管理士試験の方が問題文も長く「より深い事例問題」や「ひっかけ問題」が出題される傾向にあります。

・必要な勉強時間の一般目安
管業のみ : 約250時間↑(3ヶ月〜半年)
ダブル受験: 約300時間↑(半年~)

宅建合格知識があるかどうかで異なり、もちろん使用教材や勉強方法でも大きく変わってきます。

3. ダブル受験をおすすめる3つの理由

「2つ同時に受けるなんて無理…」と思われるかもしれませんが、実は同時に勉強したほうが圧倒的に効率が良いと言えます。

① 試験範囲の約80%が共通している
両試験とも「区分所有法」「マンション管理適正化法」「民法」「建築・設備」など、学ぶ内容の大部分が重複しています。別々に勉強するよりも、一度にインプットした方が時間を大幅に節約できます。

② 試験日程がベストタイミング(1週間違い)
・マンション管理士: 11月の最終日曜日
・管理業務主任者 : 12月の第1日曜日

1週間後にすぐ次の試験があるため、「最も知識が仕上がっている状態」をキープしたまま両試験に挑むことができます。

③ どちらか一方に合格すれば「5問免除」が使える
どちらか一方しか合格できなくても、翌年以降、もう一方の試験で「マンション管理適正化法(5問分)」が免除される特例があります。心理的なハードルも下がりますね。

4. 独学は可能?効率的なおすすめ勉強法

効率良く一発合格を目指すためのステップです。

STEP
まずは「管理業務主任者」の基本書と過去問をベースにする

基礎〜標準レベルの問題が多い管理業務主任者のテキストから始め、土台を作ります。

STEP
「区分所有法」と「民法」を極める

ここが両試験の合否の分かれ目です。丸暗記ではなく「なぜこのルールがあるのか」を理解しましょう。

STEP
あとは「単純知識」の積み重ね!

単に知っているか勝負となる、覚えやすく忘れやすい単純知識。早い復習を繰り返しモノにしましょう。

区分所有法等(20問前後):宅建試験で言うところの宅建業法。最も力を入れるべき科目です。区分所有法と標準管理規約の違いを意識し、理解しながら覚えていくことがポイントとなります。

民法と運営(10問前後):マン管・管業試験の民法は簡単です。宅建試験で覚えたことを忘れていなければラクな得点源となるでしょう。運営に関する会計等も一度コツを掴めば得点源とできます。

建築基準法と建築設備(15問前後):単純暗記がメインですが、かなり細かく新しい知識がどんどん出題されます。深追いしてはキリがありませんので、頻出問題から優先して押さえておきましょう。

マンション管理適正化法(5問):覚えることが少なく、同じような問題が出題されるマン管・管業試験の得点源。マン管or管業いずれか片方の合格者は、もう一方の試験でこの5点が免除されます。

各種試験の概要

令和8年度マンション管理士試験の概要

試験日時令和8年11月29日(日)13:00~15:00
受験料9,400円
出題形式四肢択一の50問
受験要件日本国内に居住する方であれば制限なし
願書申込令和8年8月3日~9月30日(郵送申込は8/31まで)
受験票令和8年10月下旬に郵送
合格発表令和9年1月8日(金)

令和8年度管理業務主任者試験の概要

試験日時令和8年12月6日(日)13:00~15:00
受験料8,900円
出題形式四肢択一の50問
受験要件日本国内に居住する方であれば制限なし
願書申込令和8年8月3日~9月30日(郵送申込は8/24まで)
受験票令和8年11月上旬に郵送
合格発表令和9年1月15日(金)

試験当日は受験票を持参の上、12時30分までに所定の試験室の指定番号席に着席してください。

受験票が無い場合は受験ができません。電子機器(携帯電話、スマートフォン、腕時計型情報端末、スマートウォッチ、パソコン、タブレットなど)は試験開始前に電源を切って封入袋に入れ、ご自身の座席の下に置いてください。携帯電話を時計代わりに使用する事もできません。封入袋に封入されていない通信機器類の存在が判明した場合は不正行為とみなされ、直ちに退出、試験は無効とされます。

各種試験の合格点

マンション管理士試験の合格点

年度受験者数合格点合格率
平成27年14,092人38点8.2%
平成28年13,737人35点8.0%
平成29年13,037人36点9.0%
平成30年12,389人38点7.9%
令和元年12,021人37点8.2%
令和2年12,198人36点8.6%
令和3年12,520人38点9.9%
令和4年12,209人40点11.5%
令和5年11,158人36点10.1%
令和6年10,955人37点12.7%
令和7年10,984人40点11.0%

管理業務主任者試験の合格点

年度受験者数合格点合格率
平成27年17,021人34点23.8%
平成28年16,952人35点22.5%
平成29年16,950人36点21.7%
平成30年16,249人33点21.7%
令和元年15,591人34点23.2%
令和2年15,677人37点23.9%
令和3年16,538人35点19.4%
令和4年16,217人36点18.9%
令和5年14,652人35点21.9%
令和6年14,850人38点21.3%
令和7年16,952人36点19.6%

他の不動産資格との比較

資格名受験者数合格点合格率
宅地建物取引士245,462人33点18.7%
マンション管理士10,984人42点11.0%
管理業務主任者14,435人36点19.6%
賃貸不動産経営管理士31,792人38点29.5%

令和7年の例です。やはり宅建試験が圧倒的人気となっていますが、合格率が示す通り、現在の難易度はマンション管理士>宅建士≧管理業務主任者>賃貸不動産経営管理士となっています。

同時受験の相性

宅建マン管管業賃管
宅建
マン管
管業
賃管

同じ年に、その試験の知識を持って一気に受験することでダブル合格以上を狙える相性です。同じ不動産関連資格なので「どれも相性は良い」と言えますが、特にはかなり試験内容が重複していて同時受験がおすすめとなります。

同じ年に宅建・マン管・管業試験のトリプルクラウンも可能で、宅建合格知識を持って一気に受験した方が有利な点は間違いありませんが、賃貸不動産経営管理士が国家資格となった今、まずは宅建と賃貸不動産経営管理士翌年にマンション管理士と管理業務主任者のダブル受験が無理なく現実的だと思います。

尚、マンション管理士試験の合格者は管理業務主任者試験が、管理業務主任者試験の合格者はマンション管理士試験の5問がそれぞれ免除されますので、初年度は頑張って宅建・賃管・管業のトリプル受験もおすすめとなります。翌年、最も難易度が高いマンション管理士試験に5点免除を持って集中して臨むことができます。

マン管・管業試験の問題傾向

もう少し詳しく両者の問題傾向を比べてみましょう。

マンション管理士管理業務主任者
民法・その他法令約6問約10問
区分所有法等約12問約6問
標準管理規約約8問約8問
マンション管理適正化法5問5問
標準管理委託契約書等・会計約4問約9問
建築・設備約15問約12問

マンション管理士試験では区分所有法が重要であることが分かりますね。区分所有法に基づいて決められる管理規約の精査や見直しが業務となるため、区分所有法について深く理解する必要があります。

管理会社の立場にある管理業務主任者試験では、民法や標準管理委託契約の知識が重要となってきます。

・マンション管理士=判例にも踏み込みコンサルタントとしての助言能力が問われる
・管理業務主任者 =条文通りの知識で適切な実務処理能力が問われる

① 民法・区分所有法(法律系科目)

  • マン管(難易度:高): 区分所有法から例年多く出題されますが、単なる条文の暗記では解けません。複雑な事例問題や、判例を意識した深い理解が求められます。
  • 管業(難易度:中) : 民法の基本原則や、区分所有法の標準的な条文知識が中心です。過去問をしっかり回していれば比較的得点しやすい科目です。

② 管理規約・契約書(標準管理規約など)

  • マン管(難易度:中~高) : 「マンション標準管理規約」をベースに、単一型だけでなく団地型・複合型など、細かい規定の比較や応用力が試されます。
  • 管業(難易度:中・最重要): 「マンション標準管理委託契約書」から多く出題されます。管理業務主任者としての必須実務である「重要事項説明」に関わる部分は、絶対に落とせない得点源です。

③ 建築・設備(技術系科目)

  • マン管(難易度:中) : 建築基準法や都市計画法、マンションの維持修繕、給排水設備など、広範な知識から15問程度出題されます。
  • 管業(難易度:中~高): 建築・設備に関しては管業の方が細かく、実務的な仕様を突いてくる問題が出るため難化する傾向があります。長期修繕計画の作成ガイドラインなども頻出です。

④ マンション管理適正化法(5問免除科目)

  • 両試験共通(難易度:低): 問46〜問50の5問が出題されます。条文数が少なく、過去問の焼き直しが多いため、どちらの試験でも満点(5点)を目指すべきボーナスステージです(5点免除科目です)。

1.まずは「管業」の基礎固めからスタート:初期〜中期。

基礎知識が素直に問われる「管理業務主任者」のテキストと過去問をベースに、法律の基本や標準管理規約、契約書の土台をしっかり作ってください。

2.「マン管」の過去問で応用力(深さ)を磨く:中期〜直前期。

土台ができたら、マンション管理士の過去問にシフト。区分所有法の事例問題や判例問題を解くことで、「なぜこの結論になるのか」という一歩踏み込んだ理解力を養います。

3.マン管試験直前(11月)はマン管に全集中:マン管試験1ヶ月前。

応用力が求められるマン管対策に集中します。ここで限界まで知識を引き上げておけば、翌週の管業試験にも十分対応できる実力がつきます。

4.マン管終了後の1週間で「管業固有の実務」を総復習:最後の1週間。

マン管試験が終わった直後の1週間で、全体復習+「マンション標準管理委託契約書」の細かな条文や、管業特有の「建築・設備の細かい数値」を一気に詰め込みます。

マンション管理士試験は「深さ(応用力)」、管理業務主任者試験は「正確さ(実務知識)」が求められるという出題傾向の違いがあります。

この傾向の違いを理解し、「管業の基礎力」に「マン管の思考力」を上乗せしていく勉強法をとれば、一気にダブル合格も十分可能となります。それぞれの試験の特性に合わせた勉強で、効率良く合格を掴み取りましょう!


以上、「マンション管理士試験」「管理業務主任者試験」についてお伝えしました。

現在、築40年を超える高経年マンションが急増しています。老朽化したマンションの維持には、大規模修繕工事や給排水設備の改修など高度な専門知識が欠かせません。 また住民の高齢化に伴い「管理組合のなり手不足」も深刻化しています。自分たちだけで運営できない管理組合が増えているため、専門家であるマンション管理士や、実務を代行する管理会社(管理業務主任者)への依存度が急激に高まっています。

マンション管理士は独立も見据えることができ、独立はしないにしても、法律により管理会社は管理業務主任者を一定数確保しなければならず、管理士管理業務主任者はマンション管理会社において必須の資格となります。

今後更にマンションの数が増えることが予想され、両資格の活躍の場も広がっていきます。合格まで使える半永久保証付きテキストで、マン管・管業ダブル合格を目指して頑張りましょう!

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